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先取り貯蓄の仕組み化|口座とカードの使い分けで貯める

貯蓄がうまくいかない原因の多くは、意志の弱さではなく仕組みの不在です。使ったあとに残った分を貯めようとすると、支出は残高に合わせて膨らみます。先に貯蓄分を分けてしまう「先取り貯蓄」の考え方と、その仕組み化の手順を見ていきましょう。

先取り貯蓄が続きやすい理由

先取り貯蓄は、給与が入ったらまず一定額を貯蓄用の口座へ移し、残りで生活するという方法です。手元にある金額が最初から「使ってよい額」になるため、家計簿をこまかくつけなくても使いすぎを防ぎやすくなります。毎月の判断を挟まないので、意志の力に頼らずに続けられるのが最大の利点です。金額は手取りの1割程度から始め、無理なく続けられるかを数か月試してから調整するとよいでしょう。「余ったら貯める」方式がうまくいかないのは、支出が残高に合わせて膨らむという人間の性質によるもので、意志の弱さの問題ではありません。仕組みの側で「最初から無かったこと」にしてしまうのが先取り貯蓄の本質です。勤務先に財形貯蓄の制度があれば、給与天引きで同じ効果が得られます。

口座を3つに分ける

仕組み化の基本は口座の役割分担です。給与が入り固定費が引き落とされる「支払い用」、日々の生活費を管理する「生活用」、原則として引き出さない「貯蓄用」の3つに分けます。貯蓄用はキャッシュカードを持ち歩かない、あるいは普段使わないネット銀行にするなど、簡単に引き出せない状態にしておくと効果的です。自動入金・自動振込のサービスを使えば、毎月決まった日に決まった額を自動で移せます。設定するときは給与振込日の翌日など、確実に入金がある日を指定しましょう。振込手数料がかかると毎月の積み重ねで無視できない額になるため、他行宛の振込が一定回数無料の銀行や、同じ銀行内の口座間で移す方法を選ぶと負担がありません。銀行選びの視点はネット銀行の選び方で整理しています。

クレジットカード払いとの組み合わせ方

先取り貯蓄とカード払いは相性が悪いと思われがちですが、役割を決めれば問題ありません。固定費とネットの買い物はカードに集約してポイントを受け取り、引き落としは「支払い用」口座から行います。生活費の変動費まで無制限にカードで払うと使った実感が薄れるため、その部分は上限を決める、あるいは残高の見えるデビットやチャージ式の決済にするなど、線を引くと管理しやすくなります。カードの引き落としは利用から1〜2か月後になるため、「支払い用」口座には翌月の引き落とし分を残しておく必要があります。カード会社のアプリで当月の利用額を確認し、生活用口座からその分を先に移しておくと、引き落とし日の残高不足を防げます。利用通知をオンにしておくと、使った実感を保ちやすくなります。

固定費を先に整えると効果が大きい

先取りする額を増やす近道は、収入を増やすことよりも固定費を下げることです。通信費、保険料、使っていないサブスク、住まいに関わる費用は、一度見直せば効果が毎月続きます。カードの明細から毎月同額で出ている支払いを抜き出し、上から順に「必要か」「もっと安い選択肢はないか」を確認していきましょう。ここで浮いた分をそのまま先取り貯蓄の額に上乗せすると、生活水準を落とさずに貯蓄を増やせます。見直しは一度で終わらせず、年に一度、給与が変わったときや家族構成が変わったときに繰り返すのが理想です。昇給やボーナスがあったときは、増えた分の一部をそのまま先取り額に回すと、生活水準を上げすぎずに貯蓄のペースを上げられます。

続かなくなったときの立て直し方

先取り貯蓄が崩れる原因の多くは、金額の設定が高すぎて生活用口座が月末に足りなくなり、貯蓄用から引き出してしまうことです。一度引き出すと「どうせ足りない」という感覚になり、仕組みそのものが形骸化します。そうなったら金額を下げて再開するのが正解で、続けられる額まで戻すことに後ろめたさを感じる必要はありません。また、冠婚葬祭や家電の故障など、まとまった支出は必ずやってきます。こうした不定期の支出用に「予備費」の枠を生活用口座の中に作っておくか、貯蓄用とは別に少額の積立を持っておくと、貯蓄用口座に手を付けずに済みます。年に一度、貯蓄額と生活の負担感を振り返り、無理があれば減らし、余裕があれば増やす。この調整を前提にしておけば、途中で止まっても再開しやすくなります。

貯まったお金の置き場所を考える

先取り貯蓄で貯まったお金は、まず生活防衛資金として、生活費の数か月分を現金や普通預金など、すぐに引き出せる形で確保します。それを超えた分については、新NISAなどを使って積立投資に回すという選択肢が出てきます。投資は値動きがあるため、数年以内に使う予定のあるお金は含めないのが原則です。「使う時期が決まっているお金は預貯金、当面使わないお金は投資」と分けて考えると判断しやすくなります。NISAは運用益が非課税で、証券会社によってはクレジットカードで積立ができ、積立額に応じてポイントが付く場合もあります。先取り貯蓄の一部をクレカ積立にすれば、貯める仕組みと増やす仕組みを同じ自動化の中に組み込めます。制度の詳細や積立の条件は、金融庁と各証券会社の公式サイトで最新情報をご確認ください。

よくある質問

Q. 先取り貯蓄はいくらから始めればよいですか?

A. 金額は手取りの1割程度から始め、無理なく続けられるかを数か月試してから調整するとよいでしょう。金額の設定が高すぎて生活用口座が月末に足りなくなり、貯蓄用から引き出してしまうのが崩れる原因の多くです。そうなったら金額を下げて再開するのが正解で、続けられる額まで戻すことに後ろめたさを感じる必要はありません。

Q. 先取り貯蓄とクレジットカード払いは両立できますか?

A. 役割を決めれば問題ありません。固定費とネットの買い物はカードに集約してポイントを受け取り、引き落としは「支払い用」口座から行います。変動費まで無制限にカードで払うと使った実感が薄れるため、上限を決めるかデビットやチャージ式にして線を引きます。引き落としは利用の1〜2か月後なので翌月分を口座に残しておきましょう。

Q. 口座はいくつに分ければよいですか?

A. 給与が入り固定費が引き落とされる「支払い用」、日々の生活費を管理する「生活用」、原則として引き出さない「貯蓄用」の3つに分けるのが基本です。貯蓄用はキャッシュカードを持ち歩かない、普段使わないネット銀行にするなど簡単に引き出せない状態にすると効果的です。自動振込は給与振込日の翌日など確実に入金がある日に設定しましょう。

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